getonwithさんの評価:
編集日:2022/07/06
老人の汚さと凛の儚さのコントラストが哀れさをそそる秀作。
山田老人の汚さは、若く美しい女優との対比で欠く事のできない要因だ。今回も彼の執拗で変態じみた行為が、凛の美しさ、切なさを引き出す大きな要因となっている。なぜこの汚い老人と美しい凛が結びつくのか、曖昧な理由づけはされているが、要は、山田が世間から除外されたひとであり、凛はその掃き溜めに生きる老人との性愛を通じて、自分の生きる価値観を見出そうと試みる。汚物のように絡みつく山田であればあるほど、凛の純粋さや美しさが浮き彫りにされる。この作品は、弱者に手を差し伸べる若い女性の正義をある意味示唆しているように感じた。
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